革靴を履いたサピエンス

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【書評】ビジネス界に君臨する 四騎士「GAFA」を知って感じた企業形態の未来

タケノコのようににょきにょき生えてくるテクノロジー企業の中で、
国家に匹敵する抜群の影響力を持っている4社
Google」「Amazon」「Facebook」「Apple」 
について書かれた本

これらの会社は優れたビジネスモデルと経営戦略で
神のごとく君臨しているということがよくわかる一冊である

著者は大学教授兼ビジネスマンで、これらの企業と直接渡り合って(会社を潰されて)きており、
そのエピソードもなかなか面白い。

その中でも特に面白い知見を紹介したい


【大成功した企業は「脳」「心」「性欲」 いずれかに強く働きかける力をもっている】

 脳・・・合理性
 心・・・愛情、思いやり、連帯意識
 性欲・・本能、異性へのアピール

 ☆「脳」への働きかけ
   
   脳は物事を比較判断し、冷静で合理的な判断を下す役目がある
   
   Amazonが特にそこへのアピールに突出している。
   人々は、わざわざ買い物に出かけるのではなく、
   膨大な商品からAmazonで選択し商品を注文する
   時間とお金が節約し面倒事を減らしてくれる、
   Alexaに尋ねれば日常生活を快適にアシスタントしてくれ、
   非常に合理的な判断といえる

   Googleも同様
   検索エンジンで得られる情報は途方もなく、
   膨大な情報から取捨選択するチャンスが与えられる

 ☆「心」への働きかけ

   心、とりわけ愛は合理性を超えた力を持つ
   人に親切にし、親切にされると私たちはとっても気分がいい   

   そこへはFacebookが強い
   知人や世間への自己カ開示、コミュニケーションにより
   「人とつながっているんだ」という連帯意識を感じさせてくれる
   群れで生存する狩猟採集民族だったころの経験から、
   人は群れや仲間内、社会からはみ出すことに強い恐怖感を覚える

 ☆「性欲」への働きかけ
 
   異性へのアピールは本能であり、
    合理性や思いやりを超え判断を鈍らせる

   (著者曰く「高級スポーツカーを買う人間は大人から子供まで脳が麻痺した状態になっている」)

 
   この点はAppleが格別
   当初ののアップルは、便利なユーザーインターフェースを備え、消費者へ利便性を訴えかける合理的企業だったが、
   電子機器にブランド価値を与え、
   「Apple製品を持っている自分はクールだ」と思わせる戦略に成功
   これによりテクノロジー企業としては異常な利益体質となった
   

◆◆◆

  かつてはマイクロソフトIBM、GEが世界を牛耳っていたが
  今はこの四社にとってかわっただけだ。
  この本を読んで、ビジネスにおける栄枯盛衰の厳しさを感じるとともに
  新たな企業の未来を感じた

 ☆予想 タレント取締役の増加
  
  中田英寿さんや本田圭佑さんのような名の売れたスポーツ選手
  山田孝之氏のような絶頂期の俳優が取締役となる企業が既に存在する
  
  今後こう言った形態を戦略的にとる企業が増えるのではないだろうか?

  なぜなら、今後イノベーティブな分野はやはりIT(や医療)であり、
  どんどん専門化するとともに
  ビジネスの荒波を乗り切れる経営者は僅かだ

  今後、経営者は心や性欲に訴求するためには
  外部の力を借りるのがベストと判断するのではないだろうか?


  例えばだが、ソフトバンクがイメージ戦略込みで、
  異性に人気の映画スターなどを社外取締役にしても不思議ではない

  個人の影響力を企業が借りるというわけだ。
  これからの時代、個人でもできる事がどんどん大きくなっており
  ほんとうに何が起こるかわからないのがおもしろい

  以上